約 562,167 件
https://w.atwiki.jp/hsv1/pages/80.html
粉塵に因る疾病 じん肺有害粉塵の吸入おける肺の線維増殖性変化 症状進行中の粉塵曝露停止に対し進行を持続 合併症 肺結核 傷病分類ケイ肺遊離ケイ酸の吸入に因り発症 線維化に対し高作用 強毒性 悪性腫瘍に対し発症要因外 胸膜の肥厚(ひこう)/石灰化 石綿肺石綿の吸入に因り発症 悪性腫瘍を発症肺がん 中皮腫 喘息要因 木材粉塵 要因分類米杉(べいすぎ) ラワン 木材 そば粉 職業がんに因る傷病 職業がん対象業務発がん性物質の取扱業務への従事 種類/発症症状等ベンゼン白血病 ベンジジン/β-ナフチルアミン膀胱がん 石綿肺がん コールタール皮膚がん 砒素肺がん クロム酸肺がん 上気道がん 塩化ビニル肝の血管肉腫
https://w.atwiki.jp/kumedisiketai/pages/1274.html
B 急性間質性肺炎
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【治療凶暴】 治療専用の狂暴。狂暴時に魔法攻撃、魔法クリティカル、移動速度を上昇させる。 【武神の光】 部隊メンバー1人の物理攻撃を上昇させる。 【格言術】 光系攻撃魔法。 【聖光の盾】 効果中、全ての物理攻撃を無効にする。 【聖癒術】 味方一人のHPを回復する光系魔法。 【解毒術】 部隊メンバー1人の中毒状態を解除する。 【聖光結界】 範囲内の味方のHPを回復する光系魔法。 【聖光の裁き】 ダメージと共に、物理防御を低下させる。 【仇恨忘却】 部隊メンバー1人の攻撃時の仇恨値上昇を緩和させる。 【聖光の鎖】 部隊メンバー1人のHPを回復し続ける。 【生命の蘇生】 死亡した味方一人を復活させる。 高レベルになるとデスペナルティーも回復する。
https://w.atwiki.jp/matomemodijital/pages/39.html
25位 新生児マススクリーニング アミノ酸代謝異常:フェニルケトン尿症・ホモシスチン尿症・メープルシロップ尿症 糖質の代謝異常:ガラクトース血症 内分泌疾患:クレチン症・先天性副腎過形成症 フェニルケトン尿症(フェニルアラニン)・ホモシスチン尿症(メチオニン)・ メープルシロップ尿症(ロイシン) 以上3項目の検査がGuthrie法、3つとも~尿症。 ガラクトース血症ではgal-1-pトランスフェラーゼ欠損(Beutler法)、 ガラクトース(Paigen法) クレチン症はTSH、先天性副腎過形成症は17-OHプロゲステロンを測定する(RIA法) 日齢5に足底穿刺により採血、それを濾紙に染み込ませたものを用いる。 フェニルケトン尿症:先天性のアミノ酸代謝異常症の中では最多、 フェニルアラニン→チロシンの反応における酵素または補酵素の機能的欠損 この代謝副産物が中枢神経系に蓄積することで、無治療の場合は精神遅延をきたす またチロシンから誘導される甲状腺ホルモンやメラニン、カテコールアミンの不足による各症状が生じる、 原発性甲状腺機能低下症、メラニン不足で頭髪や皮膚の色が薄くなる、 カテコールアミンが欠乏することで神経症状も呈する ただし、チロシンは食餌中から摂取できるためこれらの症状があらわれないこともある フェニルアラニンは必須アミノ酸なので低フェニルアラニン食を血中濃度と 照らし合わせながら続ける対症療法を行う 脳の発達が終わった後も、生涯治療を継続することが望ましいとされるようになってきた ホモシスチン尿症:メチオニン代謝の中でホモシスチンがシスチンに変換されず、 体内に多量に蓄積され尿中へ排出される 1歳過ぎから知能障害が出始め、3歳ごろからは骨格異常による高身長・四肢指伸長・続発性の骨粗鬆症、 水晶体偏位による視力低下・緑内障などを引き起こす、Marfan体型+精神遅滞 血中ホモシスチン濃度を下げるため、メチオニンを制限または除去した食事療法を一生継続して行う 最終生成物であるシスチンが不足するためシスチンを添加した食事療法も行う メープルシロップ尿症:分枝アミノ酸であるロイシン、イソロイシン、バリンの代謝経路にある α-ケト酸脱水素酵素複合体の活性が低下するために生じる、 α-ケト酸が体内に貯留するため尿や汗からは特有のメープルシロップのような甘いにおいがする 哺乳力の低下、吐乳、痙攣、嘔吐、意識障害、呼吸障害などが見られ、 治療を施さなければ麻痺、発育障害、知的障害をきたして死に至る 急性期においては高カロリー輸液の投与、腹膜透析、交換輸血。 軽症例にはα-ケト酸や分枝アミノ酸の脱炭酸に働くビタミンB1を大量投与により改善する場合がある 食事療法としてLeu、Ile、Valの摂取制限、 本症でない乳児に使用すると分枝アミノ酸欠乏を生じるため禁忌 ガラクトース血症:日本では低く、イタリアでは頻度が高い、ガラクトース代謝酵素が少ないか欠損 細胞破損による肝硬変、毛細血管損傷による腎不全、水晶体に浸透圧損傷を起こし発生する白内障、 敗血症、髄膜炎などを引き起こし言語障害、失調、測定障害、骨粗鬆症、早発閉経などの合併症を伴う 食事療法によって乳糖とガラクトースを摂取しないことが大切、 母乳や牛乳を避け、豆乳や調合ミルクなどの摂取に切替えなければならない 早期に対処を施しても、発声障害、学習障害、震えなどの神経系損傷、 女子の場合は卵巣の障害などといった長期にわたる合併症を発症してしまう場合がある クレチン症:橋本病によるものが多い、TSH不足・TRH不足のものは脳腫瘍性に生じることが多い 先天性副腎過形成症は大体分かるので割愛 24位 抗不整脈薬 頻脈型に対して Ⅰa:心房性不整脈に使用、キニジン・プロカインアミド・ジソピラミド 心筋細胞膜のNaチャネルを抑制して活動電位の立ち上がりを抑制して伝導抑制を主作用とする、 QTは延長する 副作用:キニジン(皮疹、高度伝導障害)、プロカインアミド(ループス様症状)、ジソピラミド(尿閉) Ⅰb:心室頻拍に使用、リドカイン、心筋の活動電位持続時間を短縮させる、副作用に全身痙攣、悪性高熱 Ⅰc:心房性不整脈薬に使用、電位の持続時間には影響を与えない、 上2つよりも強力な抗不整脈作用、あんまり出ない Ⅱ:β遮断薬プロプラノロール、陰性の変時・変力作用により洞性頻脈に効果的 Ⅲ:Kチャネル抑制により不応期を延長させる、アミオダロン、 消失半減期が長く副作用が重篤(間質性肺炎、甲状腺異常、肝障害) Ⅳ:Caチャネル拮抗薬、洞結節や房室結節に作用して心拍数を減少させたり心収縮力を低下させたり ベラパミル(降圧・徐脈・抗不整脈薬作用)、ジルチアゼム(降圧・抗狭心症・徐脈作用) 房室ブロックをきたしうるのはベラパミルの方 ATP:房室・洞結節の抑制作用により房室・房室結節内回帰性頻拍を停止する 徐脈型に対して アトロピン:洞性徐脈や房室ブロックに対して使用、抗コリン作用で迷走神経を抑制することで 洞結節・房室結節に対して陽性の変時作用を持つ β刺激薬:洞結節の自動能を促進、房室結節の伝導促進 23位 PIE症候群 PIE症候群: pulmonary infiltration with eosinophilia syndrome 好酸球が関与する肺炎のうち末梢好酸球が増加するもの 最近では好酸球性肺炎(好酸球を伴う肺浸潤をきたす一連の症候群)にまとめられている 急性好酸球性肺炎:若年男性の喫煙し始めに多い、1週間以内に出現増悪する発熱、咳、呼吸困難 血中好酸球↑、IgE↑、BAL中好酸球↑(25%以上)、両側びまん性の浸潤影、胸水(+)、 ステロイドに対する反応は良好、自然軽快例あり、予後良好で再発は少ない 慢性好酸球性肺炎:数週~数か月の経過で発熱、咳嗽、 X線で外側辺縁優位の移動性の末梢浸潤影、末梢血好酸球↑ 中高年の女性に多い、症状・所見は急性のと類似、少量ステロイドの長期投与にて治療、再燃は多い 薬剤性:ペニシリン・ニトロフラントインなどによる 寄生虫性:レフレル症候群 真菌性:ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症) 膠原病・血管系疾患:ウェゲナー、CSS、結節性多発動脈炎、リウマチ性疾患など 過敏性肺炎では好酸球増加は認めない 22位 皮膚の腫瘍 有棘細胞癌:表皮の角化細胞が悪性化して増殖したもの、頭部・顔面・四肢の露光部に好発する 発症には紫外線・慢性炎症・放射線が関与、前駆症状としてBowen、光線角化症、熱傷瘢痕、 白板症、尋常性狼瘡、色素性乾皮症などがある。 腫瘍は淡紅色で小さな結節状から腫瘤状へと増大して、やがて潰瘍や糜爛を形成する、 壊死に至ると特有の悪臭を呈するようになる、組織は角化傾向を有する異型性の有棘細胞が見られる 角化傾向が少ないほど悪性である、 治療は早期であれば外科切除、外科的切除、リンパ節転移があれば廓清、その他化学や放射線も 基底細胞癌:皮膚癌の約50%、表皮の基底細胞から発生、紫外線曝露による光老化が関与している 脂腺母斑や色素性乾皮症から生じるものもある、ヒ素、放射線も関与 顔裂線(鼻・口唇上部・頬・眼瞼下部)に好発、表面平滑で黒~黒褐色の結節、 進行すると中央部に潰瘍、組織では腫瘍細胞が蜂巣を形成してその辺縁に柵状構造を形成する 転移は非常にまれ、外科切除と放射線で根治できる 白人の基底細胞癌では色素を欠く 悪性黒色腫:メラノサイトが悪性増殖、肢端黒子型(最多)、結節型、表在拡大型、悪性黒子型、 慢性的な機械的刺激、外傷、紫外線が原因、色素性母斑、悪性黒子、色素性乾皮症が発症母地となる 辺縁不整で不均一、非対称、7mm以上、などが特徴、原発病巣の厚さで予後を判定する 5-S-CDがマーカー、色が濃いほど悪性というものではない 放射線感受性は低いので外科切除が治療の原則 21位 分子標的薬 イレッサ(ゲフィチニブ) EGFR 非小細胞肺がん ハーセプチン(トラスツズマブ)HER2 乳がん グリベック(イマチニブ) Bcr-Abl, KIT、消化管間質腫瘍、CML、Ph染色体陽性ALL ネクサバール(ソラフェニブ) Raf, VEGFR-2, FLT3 腎細胞がん アバスチン(ベバシズマブ)VEGF 大腸がん リツキサン(リツキシマブ) CD20 B細胞リンパ腫 ゼヴァリン(イブリツモマブ) CD20 B細胞リンパ腫 20位 骨腫瘍 骨軟骨腫:骨幹端の軟骨内骨化をおこしている部位に好発する、大腿骨下端や脛骨上端など。 10~30歳に好発する、原発性骨腫瘍の中では最多、キノコ状の骨性隆起(軟骨帽)が起きて疼痛が生じる 小児では無症状なら経過観察、疼痛が強ければ切除、成人となると成長が停止するので軟骨帽も消失する 20%程度が軟骨肉腫へと変化する 軟骨肉腫:原発性悪性腫瘍では骨肉腫に次いで多い、あらゆる年齢層に生じ、性差は無い 軟骨部に腫瘍が生じ、X線では骨髄内の透明巣に斑状石灰化を認める、骨膜反応は少ない 化学・放射線は無効なため基本は手術 内軟骨腫:骨軟骨腫に次いで多い、10~30歳、手足の短管骨の骨幹端部に生じて病的骨折をきたす X線にて菲薄化した骨皮質と境界明瞭なすりガラス状の透瞭像が認められる 掻爬・骨移植により治療 類骨骨腫:長管骨の骨幹部、10~20代に多い、夜間痛が特徴でアスピリンが有効 腫瘍は硬化像の中心に透明巣(nidus)を持ち、nidusを含めた切除を行う 骨巨細胞腫:膝関節・橈骨の骨端~骨幹端に境界明瞭な骨吸収像、soap bubbled appearance(地図状骨破壊) 腫瘍の発育は緩徐で、患部の疼痛・腫脹・病的骨折をきたす 十分な掻爬を行い、場合によっては骨セメントで充填する 骨軟骨腫:キノコ、 軟骨肉腫:悪性、 内軟骨腫:指、 類骨骨腫:骨幹部、 骨巨細胞腫:骨端部 19位 中耳炎 急性中耳炎:多くは耳管経由の細菌感染による(インフル菌、肺炎球菌、黄ブ菌) 耳管機能が未発達である幼小児に好発する 発熱や鼻汁過多などの感冒症状が先行し、次いで耳痛・耳漏が出現する。 耳閉塞感と伝音難聴、耳鏡検査にて鼓膜の発赤と腫脹、 抗生物質の投与と、膿貯留があれば切開排膿、 急性期の耳管通気は細菌侵入を助長するのでやらない 滲出性中耳炎:耳管の狭窄・開放症により上咽頭の細菌が中耳腔に入り込む 基礎疾患は咽頭炎、副鼻腔炎、アデノイド増殖症、上咽頭腫瘍など、 5~6歳に好発、8歳を過ぎると激減する(耳管機能発達により軽快) 耳漏・耳痛(-)、ティンパノグラムでBあるいはC型、滲出液が貯留しており鼓膜は内陥、 耳管通気や切開排膿、鼓膜チューブ留置術にて治療する 慢性中耳炎:鼓膜穿孔、伝導難聴、粘液性耳漏が3徴、急性中耳炎からの慢性化が多い 緑膿菌感染、側頭骨気胞化不良、糖尿病などによる、肉芽腫を形成、耳痛(-) 6歳以前では乳頭蜂巣の発育抑制、A-B gap、伝音難聴が高度な場合は鼓室形成術を行う 18位 DNAウイルス パルボウイルス:伝染性紅斑のB19のやつ パピローマウイルス:HPV ヘルペスウイルス:おなじみヘルペスファミリー へパドナウイルス:B肝だけはDNAというのは有名 ポックスウイルス:痘瘡ウイルス ポリオーマウイルス:JCウイルス、BKウイルス アデノウイルス:アデノウイルス 下手に何か作るよりも、上から順に『パパヘヘポポア』で覚えた方が早いです。 17位 目の検査機器 細隙灯顕微鏡検査:結膜・角膜・虹彩・水晶体・硝子体までを観察する 眼底検査:直像法(後極部の一部が大きく見える、普通の眼底鏡) 倒像法(広範囲の眼底が見える、でっかいレンズで拡大する) Goldmann三面鏡:中央のミラーで硝子体を観察できる、他に隅角・網膜も観察できる Goldman圧平眼圧検査:緑内障の観察 16位 関節液の性状 関節リウマチにて:外見は淡黄色・混濁(WBC↑)、糖↓、蛋白↑、粘稠性↓、ムチン↓、 IgGリウマトイド複合体(+)、補体価↓ 炎症性疾患では粘稠度が低下、液量は増加する 粘稠度は滑膜細胞から分泌されるヒアルロン酸によるもの 変形性膝関節症:黄色味が強くなる 15位 細菌性食中毒 潜伏期:ブ菌とウェルシュが当日、翌日はビブリオ、サルモネラ、ボツリヌス、 2日以降はカンピロ、エルシニア、大腸菌 加熱無効:ブ菌、フグ毒、毒キノコ 毒素原性大腸菌ETEC:易熱性(コレラに類似)と耐熱性の2種類の毒素を産生、とぎ汁様下痢 腸管組織侵入性大腸菌EIEC:菌が細胞内に侵入、赤痢に類似した膿粘血便 腸管出血性大腸菌EHEC:べロ毒素が侵入して傷害、蛋白合成が阻害される、重症例で出血性大腸炎 約10%にHUS、急性脳症合併 ←発症早期の抗菌薬投与で合併症を予防可能 腸管凝集付着性大腸炎EAEC:付着や毒素産生、小児下痢症のひとつ、水溶性下痢 細菌性赤痢:国外での感染、潜伏期1~3日、全身倦怠感、急激な発熱、水様→膿粘血便、 テネスムス(病変が直腸に達すると生じる)、志賀毒素は蛋白合成を阻害、べロ毒素と類似 ニューキノロン系、整腸薬(乳酸菌を増やす) サルモネラ:夏季に鶏卵、マヨネーズ、加熱不十分な食肉の摂食後、カメとの接触後1~3日で発症 悪心・嘔吐、緑色水様下痢、腹痛、発熱全部あり、基本的に対症療法のみ、 免疫不全者・重傷者には抗菌薬投与(ニューキノロン、ホスホマイシン) コレラ:河口に生息、魚介類や水から経口感染、潜伏期1~3日で 突然の発熱・腹痛(-)の水溶性下痢と悪心を伴わない嘔吐、腸液喪失で代謝アシ 適切な輸液、重症例にはTC、ニューキノロン投与 腸炎ビブリオ:好塩菌、水温15℃以上で増殖、潜伏は12時間前後、激しい腹痛と水様~粘血便 食前の加熱が有効、対症療法のみで数日で自然治癒、使うならニューキノロン カンピロバクター:食肉、生乳、ペットとの接触で感染、2~7日の潜伏 コイル状菌体のらせん運動、細菌性食中毒では最多、細胞内侵入型、発熱、腹痛、水様→粘血便 ペニシリン・セフェムに耐性、エリスロが第一、感染後にギランバレー、反応性関節炎の発症 赤痢>腸チフス>コレラ>パラチフスの順の頻度 感染毒素型:ウェルシュ、ビブリオ、コレラ、O157 感染性:赤痢、サルモネラ、カンピロ、チフス 14位 TORCH Toxoplasmosis トキソプラズマ:原虫が血液やリンパ液に乗って全身に運ばれるため、 胎盤を介して胎児に感染する 出生直後は無症状で、数年して精神遅滞や神経症状で発見されることが多い 四主徴:①網脈絡膜炎・ブドウ膜炎 血行性に原虫が眼に移行する。 眼底検査にて黄斑部を中心に 強膜を露出した網脈絡膜炎の瘢痕萎縮として発見されることが多い。 ②水頭症 ③脳石灰化 ④精神運動障害 その他、小脳症、リンパ節腫大 、肝脾腫 母体に対してマクロライド系抗生剤のスピラマイシンやサルファ剤などを投与する Other agents:梅毒、水痘、コクサッキー、B肝など Rubella 風疹:胎盤の形成が未熟な妊娠初期に高率に垂直感染し、 白内障・動脈管開存症・感音性難聴などの古典的三主徴を生じる 0~12週で感染すると高率にCRSを発症、12~18週なら難聴のみ、それ以降ならほぼ発症しない 出生前にはIUGRであることが多い Cytomegalovirus サイトメガロウイルス:抗体保有率が70~80%に減少している 経胎盤感染した児の10%が巨細胞封入体症(CID)を発症する 小頭症・脳内石灰化・精神遅滞、網脈絡膜炎、感音性難聴、貧血・黄疸、肝脾腫、低出生体重 Herpes simplex 単純ヘルペス:産道感染が問題となる、潰瘍があれば帝王切開 新生児ヘルペスに対してはアシクロビルを投与 表在型:限局性の水疱、中枢神経型:脳炎による痙攣など、後遺症を残す 全身型:敗血症様症状、DIC、MOF、産道感染では全身型の発症が多い HBV感染予防策:HBs(+)のみならローリスク、HBe(+)もあればハイリスク 出生直後のHBIG筋注と、2~5ヶ月までのワクチン皮下注、 ハイリスクでは2か月でのHBIGと抗原・抗体検査を追加する HIV感染予防策:なにもしないと垂直感染率20~40%、 妊娠中の母体にAZT単剤またはHAART療法にてHIVの増殖を抑制する→帝王切開 出生した児にAZTのドライシロップを継続的に投与、人工栄養 これらの予防策により垂直感染率を2%以下まで低下させることができる 13位 ゴーシェとかニーマンピックとかあの辺 Gaucher病:グルコセレブロシダーゼの活性低下によりグルコセレブロシド(糖脂質)を セラミドに分解できず、肝臓、脾臓、骨などにグルコセレブロシドが蓄積してしまう疾患である。 ライソゾーム病、先天性代謝異常症に分類される。世界に約5000人、ユダヤ系に多い。 肝・脾臓の肥大、骨髄内のGaucher細胞による産生低下と脾機能亢進による貧血症状、 骨髄にゴーシェ細胞が蓄積するために、骨髄内の血流障害や骨皮質が薄くなるため、 病的な骨折、骨痛、骨変形、タイプによっては神経症状が出る患者もいる、 脳にゴーシェ細胞が蓄積され、けいれん、斜視、開口困難などの症状 臓器摘出・切除法、酵素補充療法、骨髄移植、生後6か月までに発症して1~2歳で死亡 Niemann-Pick病:スフィンゴミエリナーゼ欠損によりスフィンゴミエリンが蓄積 A型(乳児神経型)は生後数か月から肝脾腫、退行が進行する、こっちの方が多い、3~4歳で死亡 B型(非神経型)は神経症状がなく、小児期から肝脾腫が出現する、こっちは予後が良い 骨髄移植により肝脾腫が縮小する Fabry病:伴劣、αガラクトシダーゼA欠損により全身にセラミドトリヘキソシドが蓄積する 発熱と四肢痛、低汗症、皮膚に被角血管腫、腎障害、心筋障害、 四肢疼痛に対してカルバマゼピン、心不全症状に対して薬物療法など Tay-Sachs病:GM2ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシド蓄積症、常劣 生後6カ月程度で発達遅滞で発症、2歳くらいで死亡、有効な治療法はなし 錐体路症状、腱反射亢進、知能障害、痙攣、巨頭症、眼底チェリー、失明 12位 GCS 開眼:1~4 4:自然に開眼 3:命令すると開眼 2:痛みに対して開眼 1:開眼しない きれいにJCSと対応しています。覚えやすい 言語機能:1~5 Verbalの5と覚える 5:見当識がある 4:意味のない会話をする 3:意味のない単語を発する 2:単語にならない発語のみ 1:反応なし 運動機能:1~6 MMTも6段階だからそれとこじつけて覚える 6:命令通りにできる 5:痛み刺激部位がわかる 4:痛みに対して手足を引っ込める 3:病的屈曲(除皮質硬直)、2:伸展反応(除脳硬直)、1:反応なし 言語と運動がとにかく覚えにくいですね。JCSとの差別化を図っているので当然っちゃあ当然ですが。 実際の問題を通して練習するしかなさそうです。 11位 内視鏡的治療の適応範囲 食道癌 絶対的適応:壁深達度m2まで、かつ周在性2/3以下のもの 相対的適応:m3~Sm1でリンパ節転移(-)のもの 食道静脈瘤 内視鏡的硬化薬注入療法EIS:予防的治療、潰瘍の合併に注意する 緊急時・非代償性肝硬変例にも施行可能 内視鏡的静脈瘤結紮術EVL:単独では再発が多いので硬化療法との併用が多い、 胃癌 ①分化型腺癌、②潰瘍所見を認めない、③20mm以下、④明らかなsm所見を認めない 胃ポリープ 胃腺腫に対してEMRが勧められる 大腸癌:リンパ節転移の可能性がほとんどなく、切除可能な大きさと部位である ①MおよびSMに軽度浸潤する癌、②最大径2cm以下、③肉眼型は問わない 術後の病理標本で浸潤(+)や低分化型であれば追加切除を行う 10位 鼠径ヘルニア 外鼠径ヘルニア:男性に多く、小児>成人、鼠径ヘルニアの大部分 内鼠径輪(外鼠径窩)から入って鼠径管を通って外鼠径輪から陰嚢へ出る 小児の外鼠径ヘルニアは先天性の腹膜腱鞘突起の開存による 1歳を過ぎると自然治癒は期待できない 立位・腹圧上昇で増大する鼠径部の腫瘤、乳児期には嵌頓が多い、silk sign 下腹壁動静脈の外側に位置する、触診にて動脈をヘルニア内側に触れる 治療は小児ではヘルニア嚢の高位結紮、鼠径管補強は行わない 成人では鼠径管後壁をメッシュで補強する 内鼠径ヘルニア:男性、中年、肥満に多い、ヘルニアの1%程度 鼠径三角(内鼠径窩)から腹壁を貫通して外鼠径輪から脱出する 鼠径部の半球状腫瘤、嵌頓は稀、下腹壁動静脈の内側に位置する 外鼠径と同じく鼠径管後壁を人工メッシュで覆う 大腿ヘルニア:中年以降の経産婦に多い、鼠径ヘルニアよりも稀 右>左、片側性が多い、鼠径靭帯の下の大腿管を通り、 大腿動静脈の内側に腫瘤が出現する、内容は大網・小網が多い、 嵌頓をおこしやすく腸管壊死を合併しやすい メッシュにて大腿輪を覆う、診断がつけば速やかに根治術 9位 球麻痺と偽性球麻痺 球麻痺:球(bulb)とは延髄のことで、昔の解剖学者が延髄を脊髄の球状延長とみていたために残っている。 下位脳神経麻痺(嚥下障害や構音障害など)を指す、下位の麻痺なので舌萎縮や線維束性収縮(+)、 下顎反射低下、咽頭・催吐反射(+)、軟口蓋反射の消失は稀、半固形物が飲み込みにくくなる ALS、MG、PM、ポリオ、Walenberg症候群で見られる 偽性球麻痺:症状的には延髄機能障害を示唆するけれども、皮質球路(corticobulbar tract) とくに両側内包部の障害により下位脳神経麻痺を来した状態を言う。 すなわち延髄がやられていないのに延髄がやられたのと同様の症状を呈するため仮性球麻痺と言う 舌萎縮や線維束性収縮(-)、下顎反射・咽頭催吐反射は亢進する、軟口蓋反射は消失 両側の大脳、脳幹の血管病変が原因となる、水様物が飲み込みにくくなる 8位 細菌性髄膜炎の年齢別の起炎菌 新生児:B連菌(50%)>大腸菌(25%)>インフル菌(20%)>リステリア(重篤) リステリアを無視できないのでアンピシリン+3世代セフェムを使用 乳幼児:インフル菌(70%)>肺炎球菌(25%) カルバペネム+3世代セフェム 成人:肺炎球菌(65%)>インフル菌(10%)>髄膜炎菌 カルバペネム or 3世代セフェム+バンコマイシン サイトカインの放出抑制のため、抗菌薬の投与直前・あるいは同時にステロイドを投与する。 Waterhouse-Friderichsen症候群:電撃性菌血症 髄膜炎菌による敗血症に続発する出血性副腎不全 →低Na血症、高K血症、代謝アシを伴う、ショック、DICの症状 7位 1歳半でできること・3歳でできること 1歳6か月:上手に歩く、なぐり書き、積み木を2つ、単語が増えだす 3歳:片足立ち、3輪車、靴をはく、名前と年齢を言える、自己中心的、反抗的、箸を使う、パジャマ 3つ物を数える、○を描く、会話ができる、2語文を使いこなす 6位 ビショップスコア 点数 0 1 2 3 子宮開大度(cm) 0 1~2 3~4 5~6 展退(%) 0~30 40~50 60~70 80~ 下降度 Sp-3 SP-2 Sp-1,0 Sp+1~ 内子宮口の位置 後方 中央 前方 頸部の硬度 硬 中 軟 5位 学校感染症 第1種:感染症法の1.2類感染症、ただし結核は除く、いずれも治癒するまで 第2種 インフル:解熱後2日、咽頭結膜炎:主要症状消退後2日 百日咳:特有の咳消失まで、流行性耳下腺炎:耳下腺の腫脹消失まで 麻疹:解熱後3日、風疹:発疹の消失まで、水痘:全ての発疹の痂皮化 結核:感染の恐れがないと認められるまで 第3種:その他、感染の恐れがないと認められるまで 4位 定期予防接種と生ワクチン 予防接種を行う1類疾患(集団予防目的、小児が対象) 結核・ポリオ・ジフテリア・百日咳・破傷風・麻疹・風疹・日本脳炎 2類疾患(個人予防目的)インフルエンザ 生ワクチン:ポリオ、麻疹風疹、結核、ムンプス、水痘、黄熱 3位 Wiskott-Aldrich症候群 Wiskott-Aldrich症候群:機能細胞骨格蛋白の異常によりT,B細胞の接触不良、血小板の小型化 Tの異常により加齢とともにCD8が低下、 Bの異常によりIgM低値→肺炎球菌・ジフテリア・破傷風に易感染 IgEとIgAは上昇する、掻痒感を伴う湿疹は重症例で多い 自己免疫性疾患や悪性腫瘍を合併する 第2位 血液検査で入れておく薬剤 EDTA採血管:血球計算用の採血管、EDTAによって凝固しない検体を作成できる ヘパリン採血管:ガス分析、アンチトロンビンの作用を高めることで凝固しない検体を作成する クエン酸ナトリウム採血管:血液凝固検査(PT、APTTなど)用の採血管 EDTAほどではないがCaイオンをブロックする作用があり、 このほどほどにブロックするのが凝固検査用に丁度いい。 採血して試験管レベルでカルシウムイオンを添加することにより、凝固が開始される。 フッ化ナトリウム(NaF)試験管:血糖用試験管として有名。 NaFは解糖系をブロックするため、採血後にも血糖の値が低下しない。 EDTA採血管を使用すると偽性血小板減少症が生じる可能性がある 高濃度ヘパリンには血小板を凝集する作用があるので一般には血球計算用には用いられない 第1位 神経皮膚症候群 レクリングハウゼン病(神経線維腫症1 型) 神経堤起源細胞由来の母斑症で,神経線維腫,色素斑,多臓器の神経系腫瘍を主徴とする。 NF1 は最も頻度が高く約3,000 出生に1 例の割合で生じる 常染色体優性遺伝.生下時から多発する色素斑(カフェオレ斑), 小児期以降で出現する軟らかい腫瘤(神経線維腫)、貧血母斑などが重要. 中枢神経病変として,脳神経および脊髄神経の神経線維腫,グリア細胞腫,髄膜腫など. 痙攣発作や知能低下,学習障害などもある.脊柱側彎や胸郭の変形および骨欠損などの 骨の異常が約半数の症例でみる.眼ではLisch 結節と呼ばれる虹彩の結節を生じる. 眼窩内に神経線維腫を形成し,眼球突出を生じることがある.まれに先天性緑内障や網膜腫瘍を生じる。 クロム親和性細胞腫の合併率も一般より高い. 治療はレーザー療法や外科的切除.進行性疾患であるため,中年期以降,全身に無数の神経線維腫の 発生をみることがあるが、一般的に生命予後はよい. 神経線維腫症2 型 両側聴神経の神経鞘腫(前庭神経鞘腫)など中枢病変が主体となる.聴力障害やめまいを起こし, 腫瘍の拡大によって四肢の麻痺や知覚低下を引き起こす.弾性硬で境界が明瞭な皮下の神経鞘腫症も認める. NF1 でみられるカフェオレ斑とは異なる褐色斑がみられることもある 5 ~ 10 万人に1 人の割合で発生する常染色体優性遺伝形式の疾患 神経線維腫症1 型 以下の所見のうち,2 つ以上を有すること. 1.5 mm 以上のカフェオレ斑が6 個以上(思春期前) 15 mm 以上のカフェオレ斑が6 個以上(思春期後) 2.2 つ以上の神経線維腫か,末梢神経内に1 つ以 上の神経線維腫 3.腋窩あるいは鼠径部の色素斑 4.眼窩内の神経線維腫 5.2 個以上のLisch 結節 6.骨の異常 7.NF-1 の家族歴 神経線維腫症2 型 以下の所見のうち,1 つ以上を有すること. 1.CT かMRI での診断で認めた両側聴神経の腫瘍 2.NF-2 の家族歴があり,本人が一側性の聴神経腫 瘍を有するか,神経線維腫,髄膜腫,神経膠腫, 神経鞘腫,若年性白内障のうち2 つを有していること. 結節性硬化症 Bourneville-Pringle〔ブルヌヴィーユ・プリングル〕母斑症 顔面の血管線維腫,知能障害,痙攣発作の3 主徴. 常染色体優性遺伝.乳児期の葉状白斑,幼児期以降に多発する鼻周辺の丘疹(血管線維腫)が特徴的. 粒起革様皮膚,爪囲線維腫〔Koenen(ケネン)腫瘍〕も重要な所見. ・顔面の血管線維腫(angiofibroma) 常色~淡紅色で,直径2 ~ 10 mm までの硬い丘疹が多発する.鼻唇溝,頬部,鼻周辺に 対称性に出現するのが特徴的である(図20.29).約90 %の症例で認められ,また特異性も高いため 本徴候をもって診断できる.生下時には認められず,多くは3 ~ 4 歳頃から初発し, 年齢とともに増加する.成長とともに皮疹が融合し,腫瘤状や局面状の病変を呈する ・粒起革様皮膚(shagreen skin) 結合織母斑の一型.粒起革とは“表面がブツブツした,なめしていない革”という意味である. 主に腰や殿部に,直径3 cm大までの硬い扁平隆起性病変が生じて融合し,唐草模様のような外観を呈する. 思春期以降明らかになってくることが多い ・葉状白斑(white leaf-shaped macules) 体幹や下腿に好発する長楕円形の色素脱失.病変部位でのメラニン産生低下によって生じる. 本徴候は約半数の症例で出現し,乳幼児期から出現するため早期発見の手がかりとして重要であるが, 正常人でもまれにみる.慎重に観察しなければ見逃されることが多いが, Wood 灯を照射すると確認しやすい. なお,白斑の増加はない ・中枢神経症状 痙攣発作および知能障害が主となる.痙攣発作は約半数の患者でみられ,生後1 年以内に始まる. 発作型は点頭てんかん,Lennox 症候群,強直間代発作など多様である.さまざまな程度の 知能低下が認められることがある. 頭部CT で側脳室壁や基底核での結節状石灰沈着と側脳室の拡大,MRI で大脳皮質などに結節状の腫瘤 〔病理学的には星状膠細胞性過誤腫(astrocytic hamartoma)〕を認める Sturge-Weber:顔面の単純性血管腫に脳軟膜の血管腫による神経症状および ブドウ膜の血管病変による眼症状を合併するもの。 常染色体優性遺伝病 顔面の単純性血管腫(ポートワイン母斑) :三叉神経の第1枝に一致して片側に生じることが多い。 神経症状:脳軟膜に血管腫が生じるとてんかんを来たすほか、片麻痺を生じることもある。 緑内障:脈絡膜の血管腫によって眼圧が亢進する。 頭部CT所見:脳軟膜血管腫が高吸収域に見える。 頭蓋内石灰化像 tramline calcification 脳回に一致した石灰化によって、頭部X線およびCTにて二重曲線の陰影を見る。
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0305 年金記録、ネットで閲覧可能に 社保庁が31日から [朝日] 0305 情報流出の1500人を戸別訪問、岡山県警が謝罪へ [読売] 0304 岡山県警 捜査資料が大量に流出 1500人分、ネットに [毎日] 0221 ネット広告55%増、TV・新聞に次ぐ「第3媒体」に迫る [朝日] 2ちゃんねる管理者に賠償命令、書き込みで名誉棄損 [読売] 米グーグル、音楽情報検索サービス・配信サイト接続簡単 [日経] グーグルの地図は鮮明過ぎ 各国が懸念表明 [朝日] 「2ちゃんねる」の書き込みから、骨髄ドナー体験が本に [朝日] 会員制のウェブサイト「SNS」 実名性高く「安心」 雑談からアイデア 0305 年金記録、ネットで閲覧可能に 社保庁が31日から [朝日] 2006年03月05日03時00分 公的年金の加入期間など自分の年金記録が、インターネットを通じて自宅のパソコンで簡単に確認できるようになる。これまでは郵便や電話か社会保険事務所に直接出向いて申し込み、郵送で記録を受け取る方法が一般的だったが、今後は一度登録すれば社会保険庁のホームページ(HP)でいつでも閲覧できるようになる。31日からHP上で受け付けを始める。 住所、氏名、基礎年金番号などをHPに登録して申し込むと、2週間ほどで接続に必要なIDとパスワードが郵送される。あとはIDなどを入力すれば、必要なときに閲覧できるしくみだ。 閲覧できるのは、厚生・国民年金の加入・未加入の期間、納付免除制度や学生対象の保険料後払い制度を利用していた期間、厚生年金の加入期間に所属していた企業名など。保険料の算出基準となる標準報酬月額の推移も確認できる。 転職や退職に伴う手続きミスなどを心配して記録を確認したいというニーズは高く、現行サービスでも年約15万人が利用している。ただ、申し込んでから記録が届くまで1カ月ほどかかるうえ、必要なときはその都度申し込まなければならなかった。新サービスは手続きが簡単なため、同庁は年90万人が利用すると見込む。年金窓口の混雑緩和にもつながりそうだ。 このほか同庁は今月下旬から、将来受け取れる年金の見込み額を知らせるサービスについて、現在「55歳以上」としている対象年齢を「50歳以上」に広げる。こちらも今は郵送による情報提供が一般的だが、加入記録と同様にネットで閲覧できるようにすることも検討している。 URL http //www.asahi.com/life/update/0305/001.html 0305 情報流出の1500人を戸別訪問、岡山県警が謝罪へ [読売] ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のウイルスが原因で約1500人の個人情報を含む岡山県警の捜査資料がインターネット上に流出した問題で、県警は4日、情報が流出した全員を対象に県警職員が戸別訪問して謝罪することを決めた。 流出したのは、車上狙いや空き巣などの被害者や被疑者の住所、氏名、事案概要、県警鑑識課への指紋照会の依頼文書など。被害者の携帯電話番号や少年被疑者の実名、性犯罪被害者の住所、氏名、年齢を記した文書も含まれていた。 URL http //www.yomiuri.co.jp/national/news/20060305i202.htm 0304 岡山県警 捜査資料が大量に流出 1500人分、ネットに [毎日] 約1500人分の個人情報を含む岡山県警の詳細な捜査資料が、インターネット上に大量に流出していることが分かった。県警倉敷署の巡査長の私有パソコンがウイルスに感染し、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のネットワークに流れた。警察の内部情報流出としては、過去最大規模。県警は「プライバシーがある」として情報の詳細は明らかにしていないが、毎日新聞が入手した流出資料には性犯罪事件の被害者の実名や金融機関の個人口座の出入金状況、国会議員の後援会名簿などが含まれており、重大な人権侵害事案に発展するのは必至だ。 ◇ウィニー使用で、被害者実名や個人金融口座 県警監察課によると、資料は同署刑事1課勤務の40代の巡査長が99年9月~02年10月ごろ、県警が公用の使用を認めた自分のパソコンで作成。02年10月ごろ、このパソコンが故障したため、署長の許可を得てパソコンを自宅に持ち帰り、家にある別の私有パソコンに一時的にデータを移した。巡査長は県警に「移したデータは消去した」と説明したが、同課の調べで、普段は使わないフォルダーに全データが残されていたことが分かった。 巡査長は今年1月からウィニーを使用。パソコンの記録から流出は今年2月下旬ごろだったらしい。今月2日に外部から指摘があり、判明。同課は「流出した情報量は確認中だが、悪用されたケースは今のところ確認していない」としている。 倉敷署以外にも、新見署に関するファイルが複数流出している。 この巡査長は「県民の皆様に多大な不安、ご迷惑をかけ、大変申し訳ない」と話しているという。県警は昨年6月、公用使用を認めたパソコンにファイル交換ソフトを入れていた場合、削除を全職員に指導。私有パソコンでも同ソフトの使用を禁じた。県警は流出した個人情報に関し当事者に個別に事情を説明して謝罪する方針で、巡査長の処分についても「厳正に対処する」としている。 ウィニーによる警察からの情報流出は全国で相次いで発覚。京都府警では04年3月、巡査の私有パソコンから「指名手配書」などの関係書類19枚の流出が分かり、愛知県警では05年6月、巡査の私有パソコンから自動車窃盗事件の捜査報告書など7件、広島県警では同11月、警察官33人分の住所録がネット上に流れ出ていた。 訴訟に発展したケースもある。北海道警で04年3月に捜査報告書など6件の流出が表面化。男性会社員が同年6月、道に200万円の損害賠償を求めて提訴した。昨年11月、札幌高裁が男性の請求を退ける原告逆転敗訴の判決を言い渡し、上告中。 海上自衛隊でも今年2月、戦闘訓練の計画表などの機密データがネット上に流出していることが発覚した。 ▽柴山克彦・県警警務部長の話 誠に遺憾で県民の皆様に深くおわびする。指導を徹底し、再発防止を図りたい。 毎日新聞 2006年3月4日 3時00分 URL http //www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060304k0000m040128000c.html 0221 ネット広告55%増、TV・新聞に次ぐ「第3媒体」に迫る [朝日] 2006年02月21日10時08分 電通が20日発表した05年の日本の広告費をめぐる調査結果によると、各種メディアのうちインターネット向けは前年より約1000億円(約55%)増えて2808億円だった。総広告費に占める割合は約5%に達した。広告費総額は前年比1.8%増の5兆9625億円で2年続けて増え、増加幅はネットの増額分にほぼ相当する。06年にはネット広告が雑誌に並び、テレビと新聞に次ぐ「第3の広告媒体」となる可能性も出てきた。 05年の広告費をメディア別にみると、新聞、雑誌、ラジオ、テレビのいわゆる「マスコミ4媒体」は、いずれも1%前後前年を下回った。一方で伸びたのは、ネット広告のほか、ダイレクトメールや交通広告などの販売促進広告で、同1.3%増えた。 ネット広告のうち、検索した語句に従って表示される検索エンジン連動型広告が、前年の約2.1倍の590億円。電通は「費用対効果を重視する広告主にとって、重要な手法の一つとして完全に定着した」と位置づける。ポータル(玄関)サイトなどに張られるバナー広告は42%増、携帯電話向け広告は60%伸びた。 06年については、電通は総広告費が前年比で2.1%増の6兆883億円と見込む。景気回復傾向に加え、サッカーW杯など大きなスポーツ大会が続くためという。ネット広告は30%伸びて3650億円になると予想。新聞、雑誌、テレビも05年実績を上回り、マスコミ4媒体では0.8%増と見込んでいる。 ◇ ネット広告は新手法が次々と開発され、ビジネスも多様化し続けている。実際のネット広告市場は、電通の今回の数字以上の大きさに膨張している模様だ。 ヤフーのウェブサイトに表示された飲料メーカーのバナー広告をクリックすると、鮮やかな動画の特設ページに飛ぶ。高速大容量通信の普及で、こんなデータ量の大きな広告も受け入れられるようになった。 凝ったネット広告が増えることで、広告制作費も急上昇中だ。動画広告には制作に1本1億円かかるものも生まれている。電通は今回調査のネット広告費には含めなかったが、業界では「国内のネット広告制作費は1000億円規模に達した」とみられている。 検索エンジン最適化(SEO)というビジネスも急伸中。検索エンジンの仕組みを解析し、検索サイトの上位に自然に表示されるように自社のウェブサイトを工夫する技術だ。その実用化を支援するアウンコンサルティング(東京)は昨年11月に東証マザーズに上場。売上高は前年比5倍のペースで増えている。 「行動ターゲティング広告」も注目の技術だ。ネット利用者の閲覧履歴をパソコンごとに分析し、個別に広告を表示する。例えば自動車関連サイトをよく訪ねる利用者のパソコンには、自動車関連の広告が表示されやすくなる。 URL http //www.asahi.com/business/update/0221/073.html 2ちゃんねる管理者に賠償命令、書き込みで名誉棄損 [読売] インターネット上の掲示板「2ちゃんねる」に書き込まれた発言で名誉を傷つけられたとして、北海道南幌町、北海道情報大学助教授有道出人(あるどう・でびと)さん(41)が掲示板の管理者を相手取り、220万円の損害賠償と書き込みの削除などを求めた訴訟の判決が20日、札幌地裁岩見沢支部であった。 千賀卓郎裁判官は「書き込みにより、(原告の)社会活動に大きな支障を与えた」などとして、管理者側に110万円の損害賠償と書き込みの削除を命じた。 判決によると、「白人至上主義者」「人種差別者」といった有道さんに対する中傷が複数回にわたって掲示板に書き込まれ、削除を求めても管理者は応じなかった。 裁判で管理者は、答弁書などの書類を提出せず、反論しなかった。 判決を受け、有道さんは「新しいメディアであるインターネット上の発言に、誰が責任を取るのか明確にすべきだ」と話した。 (2006年1月20日21時55分 読売新聞) URL http //www.yomiuri.co.jp/national/news/20060120i514.htm 米グーグル、音楽情報検索サービス・配信サイト接続簡単 [日経] 【シリコンバレー=村山恵一】米グーグルは15日、音楽専門の検索サービスを始めた。無料でアーティストやCDに関する情報を調べることができ、楽曲をインターネット配信するサイトに簡単に接続できる。音楽配信市場は拡大が続く一方、参入が相次ぎ企業間の競争が激しい。グーグルは自らは配信を手掛けず、複数の配信サイトをつなぐ「窓口」として存在感を高める作戦だ。 新サービスはアーティスト名を入力すると、販売されているCDや収録曲、歌詞、アーティストに関係する情報などを一括して検索できる。気に入った曲があればネット経由で購入できるよう、米アップルコンピュータや米マイクロソフトなどが個別に運営する配信サイトに1回のクリックで移ることができる仕組みにした。 国際レコード産業連盟によると、1―6月期の世界の音楽市場は前年同期比1.9%縮小したが、ネット配信は同3.5倍の約8億ドルに増えた。音楽専門局「MTV」を運営する米MTVネットワークスが来年からのサービス開始を決めるなどIT(情報技術)企業以外にも進出の動きが広がっている。 (10 17) URL http //www.nikkei.co.jp/news/main/20051216AT2M1600716122005.html グーグルの地図は鮮明過ぎ 各国が懸念表明 [朝日] 2005年10月18日15時06分 インターネット検索エンジン最大手の米グーグルが今年から始めた衛星画像を使った地図サービス「グーグル・アース」に、各国が相次いで懸念を表明している。インドのカラム大統領も17日までに、テロリストが基地などの衛星写真をネットで入手する恐れがあると指摘した。 グーグルがネット上で公開する衛星画像の解像度は国や地域で異なるが、インド地図には防衛施設の画像まで含まれる。同大統領は、安全保障上の懸念から、同種サービスを制限する法律の必要性まで訴えた。 同様の懸念はタイやオランダ、韓国も既に表明。韓国については、紙の地図への掲載さえ制限する青瓦台(大統領官邸)の衛星画像が、グーグル上で公開されている。一方、北朝鮮の寧辺の核施設の画像も閲覧可能だ。(時事) URL http //www.asahi.com/international/update/1018/006.html 「2ちゃんねる」の書き込みから、骨髄ドナー体験が本に [朝日] 2005年09月13日15時33分 白血病などの治療で実施される骨髄移植のドナー(提供者)に選ばれたけど、どうすればいいの――。そんな疑問や不安を、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」に書き込んで始まったやりとりが、「骨髄ドナーに選ばれちゃいました」(小学館)という本にまとめられた。 本は昨年3月の書き込みから始まる。「鉄」さんという男性が、幼なじみが白血病で死んだのをきっかけにドナー登録をしたら、しばらくして骨髄バンクから「ドナーに選ばれた」と連絡があり、詳しい検査を受けるよう求められた。 手術や事前の検査に対する疑問を「2ちゃんねる」に書き込むと、骨髄提供の経験者や医療関係者の回答や感想が、次々に寄せられた。「良いことばかりではないことも知って欲しい」。そんな書き込みをしたドナー体験者もいた。 患者さんの話も聞きたい、と書き込むと、実際に骨髄提供を待つ白血病患者と名乗る人も現れた。白血病患者への中傷や反論もあった。 骨髄液1300ミリリットルを採取して韓国の患者に提供するまで、書き込み数は600を超した。議論のきっかけを作った鉄さんは「この本が骨髄移植にまつわる様々なシーンで役に立てば」と話した。 小学館の菊池博和さんは「若い人は公式情報より匿名情報に、リアリティーや本音を感じられるのでは」と言う。B6判、192ページで1050円(税込み)。売り上げの一部は、骨髄バンクを運営する骨髄移植推進財団に寄付される。 TITLE asahi.com: 「2ちゃんねる」の書き込みから、骨髄ドナー体験が本に - 社会 DATE 2005/09/14 10 11 URL http //www.asahi.com/national/update/0913/TKY200509130235.html 会員制のウェブサイト「SNS」 実名性高く「安心」 雑談からアイデア 同じ興味や関心を持つ人の交流を目的に作られる会員制のウェブサイト「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」(SNS)を、企業が顧客向けに導入する動きが出始めた。実名性を高くすることで信頼関係が強まり、安心してネット上で“会話”ができるSNS。その盛り上がりから思わぬアイデアが生まれ、企業は新しい商品やサービスのヒントを得ることが期待できるという。(山口暢彦) ≪同志の輪≫ 健康食品製造・販売の「キリンウェルフーズ」は4月、新発売のダイエット食品「リエータ」をテーマにしたSNS「リエータカフェ」を開設した。当初、同社では半年で会員数が1000人に届けばと期待していたが、フタをあけると、3カ月で4000人を超える勢い。 会員になりたい人は「リエータカフェ」のトップページでメールアドレスや性別、生年月日などを打ち込み登録。本名は必要ない。会員になれば、自分のページを持つことができ、顔写真や「リエータ」によるダイエット日記、体重や体脂肪率の変化のグラフなどを公開できる。「これが会員をより“実名”に近づけている要素」とマーケティング部の中川紅子さんは話す。 他の会員からは、日記への書き込みやメールでダイエットに関する励ましを受けることができる。自分も他の人の日記を閲覧し書き込んだりして、友人の輪を広げることもできる。 「会員はみなダイエットを志す人たち。同じコミュニティーに属する連帯感もある。『同志』に励まされる環境づくりをすることで、お客さまのダイエットを助けられるのではないかと思った」と中川さんは開設の理由を話す。 “会話”が盛り上がるうちに、意外なアイデアが出てくることも。「『氷を入れてシェイクすればおいしい』『5種類ある味のうち苦手なものもヨーグルトで割ればいい』などの知恵が出てきた。会社としても今後の商品展開に参考になる」と中川さんは語る。 ≪戦略の参考≫ 全日空は昨年4月、「ANAフレンドパーク」を開設した。匿名性を排除するため、会員になるには、同社の顧客組織「マイレージクラブ」の会員であることが前提となる。 会員はサイト内の「スキー」や「ゴルフ」など10のコースのうち好きな3つまでを選んで所属し、その中で掲示板を立ち上げたり、アンケートを設定したりできる。競合他社と比較するアンケートの結果などは、今後の戦略の参考になることが期待でき、利用者は順調に増えているという。 「企業のSNS作りは今後、増えるだろう」と予想するのは、総務省情報通信政策課長補佐の内藤茂雄さん。「企業にとっては新商品開発のアイデアや今の商品に関する評価を知ることができるし、消費者にとっては、大勢で会話が盛り上がったアイデアは『多数の要望』ということで、商品化される可能性が高まるメリットがある」 ただ、入会のハードルを低くし、身元があまり“保証”されていないケースもある。 「ANAフレンドパーク」は、登録できるのが「マイレージクラブ」会員のみで、本名や住所といった個人情報が管理者のANAに把握されているが、本名や住所の登録を必要としない場合は、「悪質な利用者が入ってきて荒らされ、一瞬にしてコミュニティーが崩れる危険性がある」という。 内藤さんは「会員になれば何らかの特典を与えるという形を取ってでも、企業は(信頼性を高めるために)できるだけ個人情報を把握する努力をしたほうがいい」と話している。 ■行政も普及を促進 行政はSNSの実名性に着目し、普及を推進する姿勢をみせている。 総務省の「情報フロンティア研究会」は6月にまとめた報告書で、インターネットの匿名性の高さが、自殺サイトなど有害情報の氾濫(はんらん)を生んでいると指摘。SNSを使い、実名または実名に準じたネット上の名前で情報発信する仕組みの整備を提案した。同時に、地域活性化のために地方自治体や自治会単位でのSNS導入も呼びかけた。 すでに熊本県八代市は昨年10月、全国自治体で初めてSNSを導入。今年4月時点でユーザーは約900人。その9割が市民で、イベントの告知やサークルの活動の発表などを行っているという。このほか、今年中には東京都千代田区や新潟県長岡市でSNSの実験が行われる。 総務省によると、3月末時点での国内のSNSユーザーは延べ約111万人。企業による会員組織のSNS化などの進展で、2年後には約1040万人にまで増えるとみている。 【2005/07/12 東京朝刊から】 (07/12 08 03) TITLE Sankei Web 社会 会員制のウェブサイト「SNS」 実名性高く「安心」 雑談からアイデア(07/12 08 03) DATE 2005/07/12 10 02 URL http //www.sankei.co.jp/news/050712/sha023.htm
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『治療』 作者 Sun 雨が降っている。 セルフィアを抱き込むような荘厳さを備えた城を見上げ、マーガレットは息を整えた。 夕時の定例の演奏を終えて湖を眺めに出掛けたが、突然の天の恵みに遭遇し、仕方なくその身を翻してきた。 時節は秋。風雨は冷たく、瞬く間に体温を奪っていく。 安堵を求めてたどり着いたのが、眼前にあるこの白亜の城であった。 濡れた髪と衣服を軽く撫でつける。 「今、いるのかな……」 ある人物の姿を自然と期待している自分に、若いエルフは苦笑した。 少し様子を見るだけだ。そう言い聞かせながら、ゆっくりと城の中で瞳を動かす。 程なくして、きん、きん、と小気味よい韻律が長い耳をぴくりと喜ばせた。 音の主に誘われるように城の奥へ歩を進めると、冷えた身体が急速に温められ、思わずくしゃみが出た。 その原因は鍛冶台に入れられた火、そしてある人物の姿であることに気が付く。 「あ……」 上半身をあらわにしたレストが、静かな表情で鎚を振るっていた。色素の薄い肌からしたたる雫が、石の床を濡らしている。 外界の旅人から「美しきエルフの歌姫」と称されるマーガレットも、その横顔の端整さ、肢体の逞しさに息を呑んだ。 声も思考も失い立ちすくんでいる彼女へ、やがてレストは手を止め、その瞳を向けた。 「マーガレット、いつからここに」 声を掛けられても何の反応も見せない彼女の様子に、レストは首をかしげ、歩み寄る。 「僕に何か用事?」 彼の動きによって吹いた微かな風が、朱の差した彼女の頬を冷やしていく。 「れ、レストくん?」 「うん、僕だよ。どうしたの?」 見とれていた事実を告げられず、マーガレットは逃げ道を探す。 「あの、急に雨が降ってきて。どこか雨宿りする場所はないかなって探してたら、なんだか良い音が聞こえたからさ」 「雨……」 「ご、ごめんね。邪魔しちゃって」 レストはその微笑でマーガレットの謝罪を否定する。 そこでマーガレットは彼の出で立ちを直視して、再び頬の熱さを感じた。 「レストくん! そ、そ、その格好……!」 「え?」 言われて自らの身体を見下ろしたレストの頬もまた朱に染まっていく。 「ごめん! ちょっと待ってて!」 投げ出されていた上着を掴んで、彼はマーガレットに背を向けた。 「あ……」 その首筋のしとどに濡れた様子を見て、マーガレットは自分の心がひどく落ち着いていくのに気が付いた。 「待って、レストくん。着る前にちゃんと拭かないと」 棚の位置を聞いて、手早く綺麗な布を選び出す。 あまり美しく畳まれているとは言えないその布を、苦笑しながら広げて、揉みながら再度畳んでいく。 はい、とそれを手渡した時のレストの表情は呆気に取られていて、マーガレットは目尻を下げた。 「ありがとう」 そう言ってレストは顔、腕、胸の汗を拭いていく。 拭かれた部分が本来の艶を取り戻していくのを、マーガレットは静かに見つめていた。 「ああ、背中、拭けてないよ。ほら、貸して」 布を受け取って彼の首、肩、背を丹念に拭く。 仕方ないなあ、と呟きながら手を動かしていると、一つ、綺麗な背にそぐわないいびつな傷跡を見つけた。 「これ……」 苦い記憶が脳裏を駆ける。 街の外でモンスターに遭遇した時、偶然に通りかかったレストがマーガレットを庇って背を斬られたことがあった。 マーガレットが早急に施した癒しの魔法によって痛みを消すことは出来ていたが、その後も醜い跡を残していたことはお互いに知る由もなかった。 彫刻のような白い肌に付けられた傷跡。鳴りを潜めていたマーガレットの胸の鼓動が、再び早まっていく。 だめだと告げる心を無視して、唇が傷跡に近づいていく。 「うあっ」 聞こえた矯声にふと、自分の行動の異様さを思い知る。 しかし、一度突かれた鐘の音は抑まることはなく、次の一歩を促していく。 「レストくん……」 「ま、マーガレット……」 「私が治してあげる」 「何を……」 「じっとしてて」 「あ……う」 よく見れば、レストの肩にも腕にも複数の小さな傷跡が刻まれている。 エルフの舌が傷を消すなど、二人ともそんな伝説は聞いたこともなかった。しかし、このささやかな「治療」の心地よさに徐々に溺れ始めていた。 マーガレットは時に大きく、時に小さく、舌を滑らせていく。その場所はもはや傷跡だけに留まらず、何の凹凸もない滑らかな面をも網羅しようとしていた。 時折弾むレストの肩を見ては、ぴくぴくと自分の耳が喜びに打ち震えているのを、マーガレットは感じていた。 「どう? 気持ち良い……?」 「う、マーガレット……やめ……」 「やめない」 高まる想いに合わせて、二人の身体は徐々にその隙間を埋めていく。 マーガレットはレストの背から胸へと腕を絡めて、彼の首筋を舐めていく。 レストはその行為を享受しながら、マーガレットの腕を握っている。 やがて堪能したマーガレットは、鍛冶台の近くにある装飾台へと、レストを導く。 その上にある道具を無造作に払い落として、レストの肩を正面から押し、装飾台に乗せる。 久々に向かい合った二人の瞳は濡れ、鍛冶の火で身体は余計に熱を帯びていた。 更にゆっくりと肩を押して、マーガレットはレストに覆い被さっていく。 「マーガレット、だめだ」 「だいじょうぶ」 「マーガレット……」 「メグって呼んでくれなきゃ、やだ」 「め、メグ……」 「レストくん、かわいい」 「ああ、う……」 この鼻にかかった高めの声は、どんな楽器よりも良い音だとマーガレットは思った。 「メグ……」 「だいすきだよ、レストくん。ずっと、だいすきだった」 「僕も、メグのこと……」 「うれしい……。もっと聞かせてほしいな、きみの音」 レストの手を自らの胸へと導き、その快感に眼を閉じながら、レストの耳を軽く食む。 「わたしの音も、聞いてほしい」 「う、ああっ」 「んっ」 静かな部屋に二人の旋律が絡み合い、響く。 鍛冶の火が、弱々しく、激しく、淫靡に動く影を白い壁に映し出す。 秋の夜は長く、魅惑の音符をいつまでもその空間に浮かばせていた。
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今行っている治療等
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それでは次にあなたの身体に何か症状がでて、病院に行きガンと診断された場合を考えてみましょう。 たとえばいつも胸焼けけがしたり、空腹時に胃が痛くなったり、食欲が落ちたりして、ちょっと心配になり病院に行き、下された診断が胃ガンだったとしましょう。 この場合あなたは残念ながら、すでに進行ガンの可能性が高いのです。胃ガンは初期や早期ではあまり症状がでることはないそうです。また症状がなくても、進行ガンということもあります。それがあなたの場合、自覚症状が三つもあるので進行ガンと考えたほうが良いでしょう。 このような時自分のガンの進行度を大雑把に知ることができます。医者が手術を勧めるか、否かにより、進行度の目安がつくのです。もちろんガンはできる部位により、手術のしにくいところもありますので、一概には言えませんが、もし医者から手術を勧められた場合は、完治の可能性がある、つまり進行ガンでも比較的軽い段階だと、いえると思います。 この場合でもあなたの選択肢は二つです。一つはガンを小さくすることを主体に治癒する方法、もう一つはガンをこれ以上大きくしないことを主体に考えるの二通りです。 「そりゃやっぱりガンは小さくなって欲しいよなぁ、できればきれいになくなってくれれば、いいのだが」 そうそれが普通の考え方だと思います。現代医学もその考えに沿って治癒を進めていくはずです。胃ガンに限らず現代医学は、ガン治癒を手術を中心に方針をたてます。手術でガン細胞を全部取り除ければ、ガンは完治するという実に明解な考え方です。 「そりゃそうだ。ガン細胞が全部なくなれば、俺の体は元の健康な状態に戻るはずだ。」 おっしゃる通りです。しかし進行ガンともなると、ガンはある程度の拡がりが予想されます。 大きなガン細胞の塊が一つではなく、その周辺にポツポツと小さな腫瘍が多数あるという状況が多いようです。 この小さな腫瘍は外からの検査では、見つけるのは困難でしょう。このような時肉眼ではみえないようなガン細胞も、発生していると考えられます。 執刀医は長年の勘と経験でここらへんまでガン細胞が拡がっているだろうと、思われる部位を切除します。当然のこととして、切除する部分が大きければ大きいほど、ガン細胞が残存する可能性は低くなります。また切除する部分が小さければ小さいほど、患者さんの術後の体力消耗度は軽くなることになります。 つまりできるだけ最小限度で、ガン細胞を全て取り除くことがガン手術の命題になります。 ところが、ガン細胞と正常細胞を見分けるのは非常に難しいことなのです。ある程度の塊になればその部分は細胞本来の機能をしていないので、正常な部分との区別はつきます。しかし細胞一つ一つのレベルになると、たとえ顕微鏡でみても、ガン細胞と正常細胞を判別することはとても困難なのだそうです。 この部分を少し考えてみましょう。そもそもガン細胞とはどんな細胞なのでしょうか? 「そりゃ、ほっておけばどんどん大きくなってあちこちに転移してしまう悪い細胞だろ?」 そうだいたい本には、遺伝子の異常により、細胞増殖のコントロールがきかなくなる状態、という意味のことが書かれています。増殖のコントロールがきかないということは、いつまでも増殖し続けるということなので、どんどん大きくなるというあなたの答えは正解です。 細胞は二つに分裂することで増殖していきます。基本的には、もともとの細胞(母細胞)と、新しく生まれる細胞(娘細胞)は同一です。 細胞の形質を決めているのは遺伝子です。細胞は分裂する際、遺伝子を複製してそれぞれの細胞(母細胞と娘細胞)にわけます。この複製はミスのないように、慎重に行なわれます。しかしもしまったくミスがないとすると、この地球上に最初に生まれた生物は、単細胞生物だと考えられていますが、現在でもその同じ単細胞生物しか、この地球上にはいないことになってしまいます。 ということはどこかで遺伝子の複製ミスが起きていて、それが現在、地球上の生物の多様化につながっているのです。 人間はそれから、はるかに進化した多細胞生物です。成体になると約60兆個もの、細胞からできているといわれています。そして最初はたった1個の受精卵からスタートします。1個が2個、2個が4個、4個が8個というように分裂して、その数を増やしていきます。分裂のたびに遺伝子は正確に複製されていきます。受精卵の遺伝子も80歳のおばあちゃんの、皮膚の細胞の遺伝子も、基本的には同じものです。 ここで遺伝子イコールDNAと思っている方も多いと思いますが、実はちょっと違います。DNAの中で実際に遺伝をつかさどっている部分を遺伝子とよび、人間では全DNAの5%以下しかないそうです。 蛋白質の元となるアミノ酸を指定する暗号を持っている部分をエクソンといい、その前後にRNAがその情報を読む時のための制限領域があり、さらに両端には、分裂能力の限界に深く関わっていると思われているテロメアの領域があります。そしてさらにわけのわからないイントロンという部分もあり… 「あの~すみません、わけのわからないのはこっちなんですが…」 これは失礼致しました。わかりやすくお話ししましょう。 受精卵から成長していく過程で細胞は分裂をしていきますが、この時DNAは、ほぼ正確に複製されていきます。そして成長の過程で、細胞はいろいろな姿に変化していきます。 たとえば、皮膚の細胞、神経細胞、胃の粘膜の細胞、生殖細胞という具合にです。これを分化とよびますが、ここで重要なことは、どの細胞もDNAは、基本的に同一ということです。 それでは何が原因でこのように、いろいろな姿に分化していくかというと、DNAに書かれている遺伝情報(これが遺伝子です)を元に、生物の形質を決める蛋白質が作られるのですが、どの遺伝子をどのくらい読むかにより、その細胞の形質が変わってくるのです。 それを決める遺伝子もDNA上にあり、その情報が発現すると、次々と連鎖反応的に細胞の形質を決める遺伝子が情報発現(誘導)し、だんだんにその生物特有の姿になっていくのです。 その誘導因子の発現する順序は非可逆的で、たとえば消化器系の元となる細胞、胃の元になる細胞、胃の粘膜の元になる細胞、と順々に分化し、最終的に胃の粘膜の細胞になり、粘膜としての機能をはたしてゆくのです。 最終的な機能を持った細胞は、もはや分裂することなく、自分の役目が終わったらアポトーシス(細胞自殺)を起こして、自ら死んでいきます。 このことからガン細胞とは、分裂する能力を放棄し、最終的な機能を果たすべき細胞が、遺伝子の異常により、分裂能力を棄てきれずにいる細胞と考えられるのではないでしょうか? しかし仮にそのような細胞ができても、細胞が分裂できる回数の限度は、テロメアによって制限されます。 これではまだ無限に分裂増殖するガン細胞とは言えません。 つまりガン細胞とは、さらにもう一つテロメアを再生するテロメラーゼという酵素を作る遺伝子の情報を発現させてしまっている細胞のことをいうのではないでしょうか。 これらの異常な遺伝子を発ガン遺伝子とよんでいるようですが、分裂する能力をすてさせない遺伝子とは、成長時とか新陳代謝の時に必要な、細胞の増殖に関わる遺伝子と考えられますし、テロメラーゼを作る遺伝子は、骨髄幹細胞や、小腸の粘膜細胞のように、活発に分裂する細胞では、必ず発現している遺伝子だと思われます。 するとガンとは遺伝子の異常によって起こるのではなく、遺伝子を発現させるタイミングが、狂った細胞といえるような気がします。そうするとガン細胞も正常な細胞も、遺伝子自体には変化がないので、両者を簡単に区別できないのは、当然のことでしょう。 ただガン細胞は、おそらく充分な準備をしないうちに、必要以上に分裂してしまうので、栄養不足で分裂することになるのではないでしょうか? そのため分裂を重ねるたびに少しずつ、形質の変化が大きくなっていってしまうのではないでしょうか? ここでもう一つ大事なのは、先ほどガン細胞は1日に数千から数万個も発生すると書きましたが、ということはこのあやまりは、ある程度普遍的に生じるものであると、考えられます。 正常な細胞の遺伝子の発現量が異なるだけで、ガン細胞になるのですから、どうしてもある程度のミスは、避けられないのでしょう。 生物は総じて、「ミスが出るのならしようがない。そのミスを修復する機構を新たに身につけよう」、という方法で進化してきました。そのミスが新たな進化を生む可能性もあるわけですから。下等な動物は主に、大量生産のシステムでこのミスを補ってきたような気がします。 少々不良品がでても問題にならないほどの数で、種の維持をしてきたのです。しかし高等な動物、特に哺乳類ともなると、一度にできる子供の数は限られてきますので、新たなミスを修復する機構が必要になったと思われます。 それが新しい免疫機構、リンパ球による異物処理の能力なのではないでしょうか? 以上のことがある程度正しいとすると、ガンに対する治療の方向性が見えてくるような気がします。まあ簡単にいうとこんな感じだと思うのですが、わかりましたでしょうか? 「ZZZ…あ、うん、だいたいわかったよ。でもテロメアってなんなの?」 これは、これは、ほとんど寝てたくせに、進行上とてもいい質問をなさいますね。 テロメアとは、染色体の両端についている、DNA塩基の繰り返し構造で、DNAが環状だった頃(原核細胞)の、のりしろの部分で、相補的な一本鎖のDNAだと、考えられています。 多細胞生物ではこのテロメアを、細胞分裂の回数のカウンターとして、使っているようで、分裂のたびごとに少しずつ短くなり、テロメアがなくなると、細胞分裂の能力がなくなるものと、考えられています。 そしてテロメラーゼとは、そのテロメアの修復をする酵素でガン細胞はこのテロメラーゼの情報を発現しているので、無限に分裂する能力があると考えられています。 さて話はだいぶそれましたが、そういうことで進行ガンの手術は、どうしても拡大手術になりがちです。 拡大手術とは、身体にとってみれば、大けがをしたのと同じことなので、激しい免疫抑制が起こります。術後の感染症が即命取りになるのは、このためです。 また人間には、組織再生の能力があまり強くないので、手術の後遺症は、一生つきまとうことになります。それでも術後1カ月もすると、かなり体力も回復してきます。そしてたいていの場合、この時期から抗ガン剤治療が行なわれます。これは手術による取り残しのガンや、すでに転移しているガン、さらに多重ガンの可能性に対して行なわれる、全身的な治療法です。 しかしこの抗ガン剤が、手術後せっかく回復してきた身体に、また強烈なダメージを与えるものなのです。最初の抗ガン剤は、毒ガス兵器であるマスタードガスを基に作られました。 もともと人間を殺傷する目的で作られたものなのですから、その毒性が極めて高いのは当然です。 抗ガン剤がどのような仕組みでガン細胞に作用するかというと、分裂を阻止してガン細胞にアポトーシスにおいこむ効果があるといえます。細胞は分裂する時、DNAを複製しますが、この時普段は固く結合しているDNAの二本鎖が一本ずつにわかれます。複製はこの一本ずつになったDNAに新たなDNAが相補的に作られていくことで、行なわれでいきます。 抗ガン剤はこのタイミングで作用し、DNAの複製を阻止することで、ガン細胞をアポトーシスにおいこむわけです。 細胞には細胞周期というものがあり、蛋白質を合成したり、染色体を形成したりと、いろいろな行程をふみ、分裂します。抗ガン剤はこの中のDNA合成期に作用します。 細胞はだいたい1日に1回分裂する能力があるのだそうですが、全てのガン細胞が同調して分裂するわけではありません。ですから抗ガン剤を投与するタイミングによっては、まったく効果のでない細胞も多数存在するわけです。 しかも細胞には日周リズムがあり、夜にDNA合成期を迎えることが多いそうですが、抗ガン剤投与は夜行なわれることは、ほとんどありません。つまり抗ガン剤ではガン細胞の数は減らせるが、全滅させるのは不可能だといえるのです。もちろん強い薬を長時間使用すればほとんど全滅させることも可能でしょうが、それでは自分の身体のほうがもたないのです。 それは抗ガン剤がガン細胞だけに作用してくれれば良いのですが、分裂する全ての細胞に、作用してしまうのです。ですから抗細胞分裂剤とよぶべきものです。 人間は、成長期はもちろん、大人になってからも、生体維持のため新陳代謝をします。古くなった細胞は、寿命がくるとアポトーシスを起こして死に、最終分化一つ手前の細胞が分裂をして、その補充をします。 抗ガン剤はこの分裂、補充をする細胞にも作用してしまうのです。ちなみに脳細胞や神経細胞、心臓の筋肉の細胞などは組織形成後には分裂しないので、抗ガン剤は作用しません。(同時にこういう細胞には、ガンが発生しません) しかし身体の中でも特に活発に分裂する細胞、毛根の細胞や胃、腸の粘膜の細胞、血液を作る骨髄幹細胞などには、大きなダメージを与えてしまいます。 抗ガン剤を使うと脱毛したり、激しい嘔吐や下痢などをしたりするのは、このためです。また血液を作る骨髄幹細胞も攻撃するので、免疫抑制は三大療法の中でも、一番強く起こります。 また腎機能や肝機能も、損なわれていきます。抗ガン剤のダメージからの回復は、正常細胞のほうがガン細胞より早いので、できるだけ間隔をあけずに、投与するのが最良の方法と考えられているようです。 確かに1回の抗ガン剤治療でガン細胞を全滅させることは不可能なので、ガン細胞が再び大きくなる前に、次々と抗ガン剤を投与すれば、ガンに与えるダメージは非常に大きくなり、ガン細胞は大幅に縮小するでしょう。 しかし全滅させることは不可能なのですが、どんな検査をしても、みつからないほど小さくすることは可能です。 「あ~、それならいいんじゃない? とりあえず見えなくなるほど小さくなったということなら……」 確かにその通りです。しかし間隔をあけずに治療をするというのでは、いくら正常細胞のほうが立ち直りが早いとはいっても、回を重ねるたびに全体的なダメージは蓄積されていきます。 特に若い女性にとっては、脱毛による精神的なショックは大変なものでしょうし、吐き気や下痢で食欲不振にもなるでしょう。そしてなにより、ガンと闘う免疫力が著しく落ちてしまうのです。ですからせっかく抗ガン剤でガンを減らしても、免疫力が落ちたことにより、体内でガンと闘う力が弱くなり、再びガン細胞の増殖を許してしまう結果にもなりかねないのです。 このようにならないために大事なことは、なんといってもあなたの「気力」と「体力」です。 「こんなことで負けるものか! 絶対にガンを治してやる!」という強い気持ちと元気があれば、良い結果がでることも多くなるのです。 そしてこの苦しい抗ガン剤治療を、無事乗り越えると、あとは定期的に検査を受け、5年間何ごともなければ、一応あなたのガンは完治したと考えられます。 おめでとうございます。しかし忘れないでください。それはあなたの身体からガン細胞が完全に消えたわけではなく、単に検査でみつからないような大きさになったということなのです。ですから再発を防ぐためにも、ライフスタイルをかえる努力と、健康食品をとることは、続けたほうが良いと思います。 話は少し戻りますが、抗ガン剤の苦しさは、いくら気力があっても体力がもたないこともあるほどです。 そのような時は、逆に、勇気を持って先生に抗ガン剤治療をやめてもらうか、治療の間隔をあけてもらうように、たのんでみることも必要かと思います。 すると先生は、 「もう少しがんばればあなたのガンはよくなりますよ。」 などと言って、あまり間隔をあけずに抗ガン剤をうちたがる例が多いようですが、自分の身体のこと、つまり自覚症状は自分にしかわかりません。いくら検査で数値が良くとも、あなたが本当にしんどいと思ったら、勇気を持って先生に言うべきです。 それは弱気ではありません。逆にしんどいと思っても何も言わず治療を続けてしまうほうが、弱気といえるのではないでしょうか。私は妻の時あまりに副作用がひどいので、 「なんとかなりませんか?」 と相談にいったら、先生は即座に、抗ガン剤治療からホルモン療法に、切り替えてくれました。(ホルモン療法はガンの進行をおさえるねらいの治療法なので、あまり副作用はありません) その時はあまり簡単に変更されたので、逆に不安にもなりましたが、今にして思うと、この先生の判断はとても素晴らしく、本当に名医だと思います。 娘の時は、ガンが転移していることがわかり、体重もどんどん落ちてきている状態での抗ガン剤治療を、できるだけ間隔をあけてもらうような方向で頼みました。間隔をあけ、できる限り外泊の機会を増やしてもらい、体力の回復を第一に考えていたのです。外泊には車椅子を使うほどでしたが、それでも娘は家にいる時は、病院にいる時より、格段に元気そうで食欲も旺盛になりました。 二人とも現在はとても元気で、普通の生活をしています。(身体にガン細胞はありますが、) 正解は神のみぞ知ることですが、時には先生の治療方針に、意見をするくらいの気力も必要だと、感じています。 進行ガンで手術をする場合、このように術後に抗ガン剤治療を行なうことが多いと思いますが、ガンの種類によっては、術前に放射線治療を行なうこともあります。 これはガン細胞を手術前にできるだけ小さくして、手術における患者さんの負担を、できるだけ小さくするのが主な目的です。 放射線療法とは、高エネルギーの粒子をガン細胞に照射し、ガン細胞にアポトーシスを起こさせる治療法です。 細胞に高エネルギーの粒子があたるとDNAに損傷がおきます。ある程度のレベルまでは細胞の自己修復能力によって、この損傷は治されますが、エネルギーが強くなるにしたがい、修復しきれない異常な細胞がでてきます。そしてさらにエネルギーが強くなると、細胞はもはや修復をあきらめて、アポトーシスを起こして死んでしまいます。 中程度の放射線をあびると、細胞がガン化する確率は格段にあがりますし、高レベルの放射線を全身にあびると、人間は即死してしまいます。放射線療法は高レベルの放射線をガン細胞だけにあてて、ガン細胞だけを死滅させるのが、ねらいです。 現在では技術的に大変進歩して、ほとんどガン細胞だけを狙い撃ちすることが可能になってきているそうです。それでも上皮をはじめ、どうしても正常細胞にも損傷を与えてしまいます。 またガン細胞といえども、もともとは自分の身体の一部なので、それに損傷を与えるということは、やはり免疫抑制は起こります。 そしていくら技術が進歩したといっても、事故がまったくおきないとは、言いきれないようです。さらに専門の医師や技術者も不足していると、聞いています。 今述べた、手術、抗ガン剤治療、放射線治療が現代医学のガンに対する、三大療法といわれています。それぞれに特色のある治療法なのですが、共通点もあります。 その一つ目は、ガン細胞を縮小させる能力が強いということです。 どの治療法もガン細胞に、直接的な攻撃をします。0にすることは不可能ですが、検査でみつからないような大きさにすることは可能です。 二つ目の共通点は、どの治療法も、身体の元気を損なうという、欠点を持っていることです。 つまり、免疫抑制が起こってしまうのです。 特に抗ガン剤治療の場合は、血液を作る骨髄幹細胞を直接攻撃するので、三大療法の中でも、免疫抑制は一番強いといえるでしょう。このためせっかくガン細胞が縮小しても、免疫力の落ち込みにより、元以上の勢いで、元以上の大きさになることも、充分ありえるのです。 仮にこのような事態になった場合には、最悪の結果を覚悟しなければならない可能性が、非常に高くなります。また免疫抑制により、感染症など他の病気にかかる危険性も、増してしまいます。これが三大療法一番の問題点で、治療をしたために逆に命を縮めるという結果になるリスクがあるのです。ですから治療による免疫力の落ち込みを、最小限にくいとめるためにも、患者側の免疫療法が非常に重要になるのです。 三つ目の共通点は、これは三大療法に限らず、どの治療法についても、いえることなのですが、治療技術が日進月歩で向上しているということです。 つまり今は難しくても、明日になれば、有効な治療法がみつかることもあるのです。(たとえば5年後をメドにレーザー針による、温熱療法が実用化するというニュースもありました。)そのために時間をかせぐ、つまり延命をする、それもできれば元気な状態で延命をするというのは、特にガン治療において、大きな意味を持っているのです。 そういう観点からいくと、この段階でも病院での治療を受けずに、免疫療法だけでガンに対応するという選択肢もあるのです。 たとえば仕事の都合や、経済的な理由、また家庭の事情等で、病院での長期間の治療を受けるのが困難な人が、免疫療法で元気な状態で延命をし、条件がある程度おりあったところで、病院での治療を受けるというようにです。 しかもその時には、現在よりもさらに進んだ、安全で確実な治療法が、確立されているかもしれないのです。 「でもその免疫療法だけで、元気な状態で延命するというのは、可能なのか?」 それは良いところに気がつきましたね。確かに初期や早期のガンと違って、この段階のガンには免疫力の増強だけで、ガン細胞の増殖をおさえるのは、難しいかもしれません。いくらリラックスした状態を長く保てば良い、とわかっていても、日々の生活の中でそれが許されない状況がでてくることもあるでしょう。 特にあなたくらいの年齢になると、仕事においても家庭においても、責任ある行動を迫られることも多くなり、否応なしにストレス状態にさらされる可能性も強いと思います。そこで健康食品を、より抗ガン性の高いものにする、必要があるかもしれません。 その一例として、阿部博幸先生の時間差療法をお奨めします。(詳しくは阿部博幸先生著の『秋ウコン、アガリクス、フコイダンの時間差療法』をぜひお読みください。) これは秋ウコン、アガリクス、フコイダンという3種類の抗ガンサプリメントを、それぞれの特色を活かし、また人間の日周リズムまで考えて、朝昼晩と飲み分ける治療法です。 今の元気な娘があるのは、この先生の本のおかげだと、断言できます。(娘にはこの他キトサンとドクタートロンという電子医療機器を使っています。) 私のような素人がこの先生の本の解説をすること自体、失礼の極みなのですが、とりあえず各サプリメントの飲む時間と、ガンに対する効能を書いておこうと思います。 まず「秋ウコン」(植物)です。 これは抗血管新生の作用を、おもに担当します。ガン細胞はある程度の大きさになると、栄養と酸素を補給するために、自分専用の血管を作る能力があるのだそうです。秋ウコンには、この血管新生を阻害する効果があるのだそうです。そしてこの血管新生は、朝活発に起こるので、秋ウコンを飲む時間帯は“朝が一番有効”であると、書かれています。 そして「アガリクス」(キノコ)です。 これは免疫力増強の仕事が主になります。キノコ類は、免疫力増強の効果のある、抗ガンサプリメントも非常に多いのですが、阿部先生はその中でも、アガリクスをお奨めになっています。これは人間の免疫力が落ち込みだす“昼に飲む”のが最良だということです。 最後に「フコイダン」(海藻)です。 これにはガン細胞にアポトーシスを起こさせるという、特殊な能力があるのだそうです。しかも正常な細胞には一切作用しない、つまり副作用のまったくない、まさに夢のような抗ガンサプリメントなのです。ガン細胞は夜おもに増殖するので、フコイダンは“寝る前に飲め”ばいいと、書かれています。 この秋ウコン、アガリクス、フコイダンによる、時間差療法は必ずや、あなたのガン治療に大きな効果をもたらすことを、信じています。 「なんだ、そんないい治療法があったのか! それなら最初からそれでいけばいいのじゃないのか?」 おっしゃる通りです。ガンは早ければ早いほど治る確率は高くなります。つまり早期治療はガンを克服するうえで、最も大切なことだと思います。 「アンタさっき早期発見、早期治療が、ガン患者を増やしていると、言ってなかったか?」 良く覚えてますね。確かに三大療法は全て免疫抑制を起こす、つまり身体から元気を奪い取る治療法なので、素早く治る可能性も高いが、今より悪くなる恐れもあると言いました。 しかしこの時間差療法をはじめとする免疫療法には、副作用がなく、身体に元気を与えて、ガンと闘う治療法です。だから少なくとも、やらないよりは、やったほうがいいという治療法です。しかしそれにもまったく問題がない、というわけではありません。 現在市場では、数多くの種類の抗ガンサプリメントが出回っています。 アガリクス一つにしても、何十種類もの商品が、陳列されています。 そのうちのどれを選ぶべきかは、私たちにはなかなか判断ができません。薬ではないので、効能を書くことは禁止されています。成分は書かれていますが、われわれ素人には、それを見ても良くわかりません。 おのずと一番わかりやすい値段で選ぶことが多くなります。これが正直あまり安い買い物ではないのです。なぜかというとあまり値段が安いと、ほんとに効き目があるのだろうかと、まるで根拠のない心配をし、ついついそれなりの価格のものを購入するようになります。 また、健康保険も適用されず、医療費控除の対象にもなりません。ですから本当は予防のためにも、あなたくらいの年齢になれば、飲み始めていただきたいのですが、経済的に少しどうかと思います。 そこでガン患者側として、切なる願いごとがあります。それはこの種の健康食品を、薬に準ずるものとして、扱ってほしいのです。抗ガン作用が強い、確かな商品については、健康保険が適用され、医療費控除の対象となるような。そうすれば当然品質管理も厳しくなるので、よりよい商品が、より安い価格で、われわれに提供されることになるでしょう。 そのためには、ぜひ医療機関による専門的な研究が必要です。最近は健康食品をとり入れたガン治療をしてくださる病院も、だいぶ増えてきたように本には書いてあります。 しかし私の娘や妻がお世話になっている病院では、このような健康食品に、ほとんど興味を示されることはありません。特に娘は現代医学が見放したほどの症状だったのが、学校に普通に通えるまでに回復しているのですから…。健康食品がなんらかの効果があることは、もはや疑いようのない事実です。 それなのになぜか先生達は、健康食品の話題をまるでとりあげようとしません。私にはこれがとても、残念でかつ不思議です。 本来医師とは、患者の病気を治すのが仕事です。まして大学病院(娘がお世話になっている病院です)ともなれば、より多くの同じ病気で苦しんでいる患者さんのために、研究することを義務づけられている機関であると思います。 それなのにあと半年か1年と診断した娘が、1年2カ月後の現在、元気で学校に通っているという事実に対して、もっと興味を示し、研究する必要があるのではないでしょうか。 娘と同じ病気で苦しんでいる方は、全国に何万人といらっしゃるでしょう。そのうちの何%かの方でも、娘と同じ治療をすれば、健康になる可能性があると思います。 私はけっして娘が奇跡の子だとは思っていません。ごく普通の娘が、それなりのことをした結果が、現在の状態になっているだけだ、と思っています。 医療機関としても、私たちが娘にしてきたことを、真剣に研究していただければ、娘と同じ病気で苦しんでいる方、いえ、もしかすると全てのガン患者さんのために、大いなる力になると確信しています。 そうなれば、よりよい健康食品をより安価で求められる、いえ、欲をいえば病院で処方してもらえるようになれば、私たちガン患者側の負担も、かなり軽くなるとは思うのですが、どうでしょう? (2005年5月4日) つぎへ 「進行ガン後期」>
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長崎大・山下俊一教授の『語録』 AsahiShimbun Weekly AERA 11.6.13 p25~27 山下俊一vs近藤誠 被曝「大丈夫の境界はどこか」 山下俊一vs近藤誠 被曝「大丈夫の境界はどこか」山下俊一・長峨大学教授リスク「ゼロ」とは言えないが明らかな影響出てない(100ミリシーベルト以下なら健康への影響はない?) 危険素因の「スニップ」 心配なら避難を 近藤誠・慶応大学講師「しきい値」なし 低線量でもがんになる(しきい値はない) 10ミリ毎に発がん率増 学間ではなく決断 (リード) 「年間100ミリシーベルト以下なら影響はでていない」と説く被曝医療の世界的権威。片や、「放射線に安全な値なし」と訴える著名ながんの専門医。いま、最も心配な問題を、あなたはどう考えるか。じっくり読んで、判断材料にしてほしい。 山下俊一・長峨大学教授リスク「ゼロ」とは言えないが明らかな影響出てない 山下俊一 長崎大学教授 1952年生まれ。世界保健機関(WHO)緊急被ばく医療協力研究センター長、日本甲状腺学会理事長。長崎の被爆者の治療や研究の経験を生かし、91年からチェルノブイリ原発事故の医療支援を続けている。福島原発の事故後は、福島県知事の要請で放射線健康リスク管理アドバイザーとして現地の被曝医療に従事。住民への説明会は20回を超え、これまで約1万人が参加した。 (100ミリシーベルト以下なら健康への影響はない?) ――「1年間に浴びる放射線量が100ミリシーベルト以下なら健康への影響はない」というのは本当なのですか。 「『影響はない』ということではなく『影響があるか疫学調査で証明されていないのでわからない』ということです」 ――その根拠は? 「広島と長崎への原爆投下では数ヵ月間で市民の3人にー人が爆弾被災と急性放射線障害で死亡しました。1950年の国勢調査で把握した12万人の被爆者を対象に追跡調査がいまも放射線影響研究所で続いています。被曝線量は居た場所から正確に推定されています。1回の被爆でがんによる死亡がどれだけ増 えたか。5~200ミリシーベルト被曝した集団でみると2%増えています。しかし、5~125ミリシーベルトだと1.5%増えたと推定できたものの、それ以下の5~100ミリシーベルトでは差がなくなりました」 ――統計学的に「100ミリシーベルト以下」は何とも言えない、ということですか。 「発がんリスクをゼロとはみなせませんが、正確に言えるのは『12万人を調べた緒果、100ミリシーベルト以下の被曝だと明らかな影響はでてこなかった』ということです」 危険素因の「スニップ」 ――ただ、危険が証明されていないとしても、危険がないということにはなりません。 「その通りです。薬の効きやすい人と、そうでない人がいるように、同じ放射線量を浴びてもがんになりやすい人と、なりにくい人がいます。がんのなりやすさを決める『遺伝子多型スニップ』と呼ばれる発がん素因の存在がわかっています」 ――放射線の影響にも感受性があるということですか。 「チェルノブイリ事故のあと、甲状腺がんになった事故当時の乳幼児や子どもの数は6千人になりました。事故直後から放射性ヨウ素に汚染された牛乳や食べ物を摂り続けて内部被曝を受けた当時0~10歳の子どもたちが中心です。大きな都市では規制されましたが、田舎では自宅に牧場や畑を持つ家が多く無防備でした。これまでに15人が死亡しました。同じ地域にいて、甲状腺がんを発症した人としない人の遺伝子を調べた結果、発症した人にはがんを引き起こしやすいスニップを持っている人が多いことがわかりました」 ――チェルノブイリは、いまも被曝に苦しんでいるのですか。 「放射性セシウムの半減期は30年。まだ25年なので体への影響を判断するには不十分ですが、周囲にいまなお住む550万人が、放射性セシウムの内部被曝によってがんになりやすくなったということはありません」 ――子どもの白血病は他のがんより低い線量でなりやすいとも言われていますが、チェルノブイリで増えてはいないのですか。 「高いというデータはでていません。原爆と原発事故では外部被曝レベルが違うことが大きい。同じ線量を被曝しても、少量ずつよりも一度に浴びた方が影響が大きいことも生物実験などからわかっています。子どもの甲状腺がんも、事故の翌年以降生まれた子どもたちには増加はありません」 心配なら避難を ――住民説明会では、妊娠中の娘を心配する親に「心配なら避難した方がいい。恥じることではない」と言葉をかけています。子どもへの影響は、やはり心配した方がいいのですか。 「放射線がなぜ人体に影響するかというとゲノム(DNA)に傷がつくからです。最近のゲノム研究の結果から、増殖している細胞のゲノムにはふだんから傷ができているが、放射線があたることによって傷の数が増えることがわかりました。ゲノムの傷は自然に修復されますが、より活発に増殖している細胞では傷が残ってしまうこともあります。子どもの場合、新陳代謝が大人より速いため細胞分裂している細胞の数が多く、その緒果、ゲノムについた傷が残ってしまう場合が増えると予想できます。15歳未満の子どもでは致死的ながんのリスクは大人の2~3倍とみられています。ただこれも1OOミリシーベルト以下の線量では健康への影響を示すデータはでていません」 ――でも、いくら「健康への影響は考えなくていいレベルだ」と言われても、子どもへの影響を心配しない親はいません。 「母親が感性に走るのは当然です。私は被爆2世なので、本当に放射線の影響がないのだろうかという思いから、ずっとかかわってきました。住民への説明に入ったのも、放射線の影響はわからないことが多いけれど、わかっていることを正確に伝えることが重要だと考えたからです。放射線の専門家は大勢いますが、健康への影響や防護の分野となると別です」 ――原発事故直後の説明会では「甲状腺がんにならないように首にタオルを巻いた方がいいのか」といった質問もでていました。 「恐怖感を抑えるには知識が必要なんです。放射線の人体への影響度合いを表す単位として『シーベルト』が使われますが、直接測定できる数値ではないのを知っていますか。平均的なデータから類推した線量です。データに信用性が乏しいと国際機関で認められていない調査などを根拠にし、危険を煽る人がいるのは残念でなりません。無知や誤解は差別を生みます。広島・長崎でどれだけ多くの人が、いわれのない差別に長年苦しみ続けたか。福島を絶対に、そうしてはなりません」 ――非常時というのは、ふつうは短期。なのに福島では、あと何年も続きます。 「『子どもへの影響が怖い』と大きな不安を感じる人は避難すべきです。それに乳幼児や子どもへの配慮は、もっとされるべきだと思います。『疎開』やサマースクールなど、教育環境を維持しながら福島から少しでも離れて被曝線量を減らす方法はたくさんある。それを検討すべきだし、提案していきたい」 聞き手 編集部 岡本進 近藤誠・慶応大学講師「しきい値」なし 低線量でもがんになる 近藤誠 慶応夫医学部放射線科講師 1948年生まれ。乳がんの乳房温存療法に早くから着目し、著書『患者よ、がんと闘うな』で注目を集める。がんの多くは、悪性ではない「がんもどき」と主張し、がん検診の在り方や、がん治療における、抗がん剤の使いすぎ、過剰な手術などについて問題提起を続ける。最近では「抗がん剤は効かない」という主張で、論議を巻き起こした。6月下旬に新著『放射線被ぱく CT検査でがんになる』(亜紀書房)を刊行予定。 (しきい値はない) 政府は「人体に影響が出る可能性が生じるのは100ミリシーベルトで、それ以下は直ちに影響はない」と説明しています。年間20ミリシーベルト以上被曝する恐れがある地域が計画的避難の対象となりました。 しかし、私はこれまでの研究から、何ミリシーベルトだから大丈夫ということは言えないと考えています。被曝量に直線的に比例して発がん率は増えていきます。何ミリシーベルトだから安全という「しきい値」はありません。低線量の被曝でもがんになる人はなります。 10ミリ毎に発がん率増 確かに歴史的にみると、10 0ミリシーベルト以下の放射線の影響が長い間はっきりしなかったのは事実です。以前は200ミリシーベルト以下の発がん性ははっきりしなかった。1990年ぐらいになると、1OOミリシーベルト以上では発がん性があることがわかってきた。 これは、主に広島・長崎の原爆被爆者のデータによるものです。低線量の放射線の場合、それががん細胞になり、発がんするまでには、20年、30年とかかるケースが多いのです。だから低線量の被曝について研究が充実してきたのは、最近です。2003年の広島・長崎についての報告では、何ミリシーベルト以上だけが発がんするという「しきい値」はなく、放射線を浴びた量と発がん率は単純に比例するということを示唆するデータがでてきました。 さらに日本を含む世界15ヵ国の原子力施設の作業従事者40万人を調べた別の調査によると、全体の90%が50ミリシーベルト以下の被曝量だったにもかかわらず、積算線量が10ミリシーベルト増えるごとに、発がん死亡率がO・97%ずつ増加することがわかりました。 なぜ、低線量の被曝でもがんになるのでしょうか。まず、放射線と発がんの関係を考えてみましょう。 放射線は遺伝子を傷つけます。遺伝子の実体はDNAですが、鎖のようになっていて、2本がねじりあって存在しています。 1本が切れても修復できますが、2本切れてしまうと、つながらないことがあります。これが変異遺伝子です。高線量ならもちろん、1ミリシーベルトの低線量の被曝であっても、変異遺伝子が少しずつ、たまっていくことがわかっている。これが一定量になれば、発がんするのです。 学間ではなく決断 私は「発がんバケツ」という説明をしているのですが、体全体をバケツとすると、たばこや農薬、大気汚染でも、変異遺伝子ができます。これがたまって、バケツがあふれると発がんする。たばこは発がん性があるとわかっていて勝手に吸ってますが、原発の近隣は望まないのに放射性物質が降ってきてしまう。 これがどの段階でいわゆる1センチとか10センチの腫瘍になるのかは体質によって、人それぞれです。死亡するかは、がんができた場所にもよります。小さくても、膵臓など極めて致死率が高いがんもある。特に放射線の影響が出やすいのは、白血病(骨髄)、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がんとされています。乳がんはこの中でもリスクが高いと考えます。また、若い人は細胞分裂がさかんだから、放射線の影響を受けやすい。小さい子どもほど大きいでしょう。 20ミリシーベルトくらいでは人間の体はびくともしないと言っている学者もいます。これは分子生物学の成果を無視しています、ーミリシーベルト程度の放射線でもDNA鎖が壊されるのは実証されています。ICRP(国際放射線防護委員会)のいう20ミリシーベルトも根拠はありません。その数字は、学問ではなく「決断」なのです。 放射線治療は、こうした放射線の特質を利用して、2千ミリシーベルト相当とか3千ミリシーベルト相当の放射線を局所にあてます。例えば、乳がんは25回やるので、5万ミリシーベルト相当をあてます。そして、10年、20年して、この放射線で発がんすることがあります。実際、私の患者も別のがん治療で亡くなっています。ただ、治療しなければ死んでしまうのであれば、リスクを検討したうえで、放射線を使うのです。 また、被曝量だけいうなら、東京など遠隔地に住んでいる人にとっては、CT検査のほうが何十倍も危険です。法的根拠もないのに80歳の高齢者に20ミリシーベルトを基準に計画避難をさせるというのもおかしい。放射線によるリスクを正しく説明し、情報をきちんと開示したうえで、それぞれの判断にゆだねるのがいいと私は考えます。 聞き手 編集部 三橋麻子 長崎大・山下俊一教授の『語録』